02/12の日記

16:13
天使の卵、映画化
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どうも俺が気になり始めて読んだ小説が、映画化になってるな。
まあまだ読み始めてからの小説が映画化になったのは二冊目だけど。

暗いところで待ち合わせ↓
天使の卵


試験が全て終わったな。後は来週か。

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15:30
『PEACE』の続編登場。東京っていいですね、面白かばい
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2.

予備校って言ったって、今までと何ら変わり無い。ただ無駄に騒がしい奴らが、クソ真面目な生徒になっただけだ。
煩いよりはずっとマシなのだが、やはりシャープペンシルを紙に擦る音が鮮明に聞こえるのはあまり心地良いとは思えない。
何せ、俺は受け身で勉強していたような人間だ。それほどひた向きに勉強が出来るほど真面目ではないのだ。
趣味は喫煙、アルバイトで稼ぐのは生活費と煙草代の為。身だしなみは……ある程度普通ならそれで良い。適当にファッション雑誌に目を通して、周りと違和感が無いような、そんな感じの。
こんな生活を続けていると、俺はまだ二十歳にもなっていないというのに、夢も希望もないとはまさにこの事を言うのではないだろうか、と感じるほどだった。
「……つまり、こういう事です」
講師が生徒に最低限の解説を言い切ったと同時に、黒板の文字はすぐさま白い粉になってしまった。おっと、聞き逃した。
俺は隣の席の奴のノートを横目でちらりと盗み見する。
発展の数式か、……なんだ、何とかなるな。

少しはほっとしたものの、またすぐに板の上は文字で埋め尽くされてしまう。
(今度は書いとかないとな)
心の声で呟き、苦笑する俺。
別段辛くも何ともない予備校生活は、受け身の俺にはただ黒板を見て、それをノートに写すという作業――かつて高校生活で行なっていた行為――と何ら変わり無いものなのではないか、と考えさせられてしまう。
《何にも変わり無い》
いや、俺より幾らかマシだ。こっちはすっかり堕落していったのだから。

「では、今日はこれまで」
講師の合図と共に立ち上がるのは昼の時間帯以外、ほんの数人だけ。後の残りはみんな机の表面に向かい合って、必死に演習に取り組んでいる。
俺はそんな周りの雰囲気を別段気にする事もなく、教室を出ていく。

俺は誰にも悟られないように男子トイレに向かった。個室の内鍵を掛け、懐に隠し持っていた煙草のケースとライターを取り出した。
ここには人があまり来ない。来るとしても俺みたいな奴ばっかりだ。
そのせいで、ここに用を足しに来た奴はみなヤニ臭くなる。俺もその一人だ。もっとも、俺は加害者側だが。
まあ、俺が吹かしてるという事実が周りに知られなければ良いんだ。
三本ほどピースを味わってから、水洗トイレの把手を捻って吸い殻を流す。
ヤニ臭いのを誤魔化すために香水を付け、鏡の前で身だしなみを整える。

(身だしなみ……か)
鏡に映る自分を見て、いつしか俺は二年前のある出来事を思い起こしていた。
それはまだ、俺が高校生活を謳歌していた頃の事だった。
俺には一つ年下の彼女がいた。
それが江崎瑠里(エザキ・ルリ)。
ふわふわと掴み所の無い雰囲気を放っていて、シャープな眼鏡を掛けているせいか、顔立ちが割と知的そうな、そのくせ可愛らしい、そんな奴だった。

「夜景って、何でこんなに綺麗なんだろな」
俺と瑠里が東京から帰る途中、下りの新幹線に乗り込んだ時に呟いた言葉だった。
頭の中では、
(夜景も瑠里も、宝石の輝きにも負けないぐらい綺麗だ)
なんて、口に出すのが躊躇われるような臭い台詞すら浮かんでいたのも覚えている。
「あたしと一緒に見てるからじゃない?」
「ははっ、馬鹿云え」
恥ずかしさを誤魔化すように、出来るだけ茶化して言ってみたのだが、彼女は笑う事無くまじまじと俺の顔を見つめていたのだった。
「いいじゃん。女の子はムードを大切にするんだよ」
俺は薄く笑みを浮かべ、強引に瑠里の肩を寄せるようにして、そのまま唇を重ね合わせた。
「……こんな感じか?」
今度は悪戯っぽく笑みを浮かべてやると、彼女は上目遣いで俺の目を見つめてきた。
その潤んだ眼差しは男を狂わせるかのような魔力を放っていた。
「……まあまあかな」
頬を赤らめながら小声で呟く彼女を見るだけで俺の心は昂ぶる。
瑠里が欲しい。今すぐにも彼女の全てを奪いたくなってしまう。
「……素直じゃねぇな」
そんな気持ちを抑えるかのように、俺は彼女の髪をくしゃくしゃにしてやった。
(……どっちが素直じゃないんだか)

自分に苦笑しながら、時が流れ過ぎていく。そんな時間もただ幸せだった。
ちょうどそんな時だった。
俺と瑠里、そして自由席のシート。その空白の席に三人目がやってきたのだ。
「すみません、ここ、座ってもいいですか?」
透き通るような声。
「どうぞ… ――!!」
俺は目を奪われた。
十五ぐらいの、長く艶のある黒髪の美少女。
永遠の瞬間とも思えたほどに、全身に電流が駆け巡ってきた感覚を覚えたのだ。
俺の世界がまるっきり変わってしまった瞬間、陳腐な言葉で表すなら、
これはまさに“運命的な恋”だった。
「ふう……」
彼女は短く溜息を吐く。頬は袖で擦ったように赤らんでいた。
その女の子はとにかく形容しがたい美しさを携えていた。
無邪気とかはかなさとか言う雰囲気の中に潜む男殺しの魔力、それは瑠里の比ではなかった。
俺は動揺を隠すように窓側をじっと見つめていた。トンネルに入るたび、少女の顔が窓ガラスに映り込む。
俺はその瞬間が訪れるたびに内面で炎が燃え上がり、噛み締めるように味わっていた。
ゆらゆらと揺れながら、新幹線は何も知らずに目的地に向けてただ走り続けていた。

しっかりとした地に降り立った後、俺と瑠里は手を繋ぎながら、比較的田舎である故郷の星空を見上げて歩いていた。

「あっ、月だ!!……って、どしたのピース?浮かない顔して」
「いや、別に」
努めて冷静に答えようとしても、心がそれを許してはくれなかった。
「あ、まさかいやらしい事考えてるんじゃないのぉ?」
いっそその方が楽だった。お前に魅力を感じなくなった、いや、違う。魅力はある。ただあの少女には遠く及ばない。
そう言える自分でありたかった。
「……さあな」
我ながら最悪な回答だった。もう俺には瑠里という存在が、俺にとっての何であるのかがさっぱり解らなかったのだ。
結局この日、俺は自宅で瑠里を抱いた。それこそ、頭の中が真っ白になるように。
彼女は声にならない声を断続的に上げ続け、ついには俺から顔を背けるようにして達したのだ。
そんな時、瑠里の横顔と少女の横顔とが完全にダブった。
もう、俺の中の狂気は止める事は出来なかった。

「瑠里、聞いてくれ」
この切り出しをどこでどう持ちかけたのかは覚えていない。
「お前とはこれで終わりにしたいんだ」
自分でも分かるぐらいに冷酷で、ストレートな言葉だと思った。
彼女はコップを握り締め、肩を震わせていた。
上目遣いで俺を睨み付けながら、血が滲むのではないだろうかと言うほど唇を強く噛み締め、低い声で言った。
「……何でよ」
「……」
何も言えなかった。
名前も知らない少女の横顔に、心を奪われた。それで瑠里の存在が俺の中から薄れた。
そんな訳の分からない理由で、彼女を傷つけていいのか?
「……あたしの事が嫌いになったの?」
「嫌いじゃない。でも……」
お前が俺の心にぽっかりと空いた穴を埋める事は出来なくなった。
それは口にする事が出来ずじまいだった。

修羅場は回避出来た。
でも、この日を境に俺と瑠里の間にあった何かが壊れ始めた。
後は病院で静かに死んでいく死にぞこないの患者のように、俺と瑠里の仲はゆっくりと温度が冷えていき、最後には死体と化してしまった。

ふざけた事に俺はすでにその少女に感じた感情は、うっすらと色褪せていたのだった。
俺が持っているものを失うだけのために起きてしまった過去の傷跡。
……片思いのような想いを、ひた向きな恋だなんてよく言えたもんだ。
喉元過ぎれば熱くない。使い方は違うが、熱を感じるのはその飲み込む瞬間だけであって、
時間が経ってしまえばその恋い焦がれる想いという大層なものは大概冷めているものなのだ。
恋はそんな下らないもののために存在しているわけがないのに。

(……よし)
再び無気力な日常を過ごすために、俺は足速にトイレを出ていき、教室に急いだ。





話の中身が全然平和じゃねぇ。
でも、やべぇぐらいにアイデアがポポンポンですわ。
しかし、ダメ男ピースの明日はどうなるやら。

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08:08
あるホテルの物語
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煙草の火の物語

ホテル火災の筆頭は煙草の火で、
発火場所の筆頭も又客室です。
煙草を吸ったときの温度は800度になります。
灰皿の上に放置された時は550度ですが、
段々燃えると灰の方が軽いので外に転げ落ちます。
そこに可燃物が有れば、其れが段々焦げて45分で煙が立ち始めます。
55分で炎が上がりますが不完全燃焼の一酸化炭素が充満しますので、
お客様は、すやすやと永久に眠り続ける事になります。


なんじゃこりゃ(;´З`)

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