02/10の日記

18:04
村山由佳さん&唯川恵さんの本は恋愛バイブルとして見ましょう
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PEACEよりも先に書かれていますが、こちらの方が後に書かれています。PEACEは昨日の作品なのです。

天使の卵(エンジェルス・エッグ)
目が潤んだかと思えば、速攻で泣きました。
まさに俺が言ってたクリエイション&デストラクションです。いや、しかし……、ダメでした。
むちゃくちゃせつなくなっていました。
この日記に目を通した人、是非とも読んでください。
天使の卵(エンジェルス・エッグ)ですよ。


ちなみに今読んでるのは、
彼女は恋を我慢できない
せつない恋の咲かせ方


という題名の本ですが、何げに女心は深いもんだと考えさせられました。
同時に、こんな女性がいて、自分にその感情を向けてくれたらどんなに幸せなんだろう、
と、ついつい夢物語のような展開を期待してしまいました。
何せ、長所だけでなく、欠点も、何もかもすべて愛してくれるだなんて、感涙モノです。
こんな人がいたら、100%可愛がられたい、もしくは可愛がりたいですv

……キモイか。すません。

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22:28
題名は『PEACE』。構想はカップ麺のウェイトタイムぐらい。
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1.


二月の始まりだった。
俺は第一志望の進学先の学校からあぶれたのだ。
ある程度は想定の範囲内だったのだが、さすがに俺が落ちるとは思わなかったのだろう。
しかし、両親は他の学校に妥協させるつもりはなく、俺は予備校通いを余儀なくされた。

その予備校は自宅からは大分離れた所にあるため、アパートに住み込む事になった。
学資金は両親が用意してくれる。その代わりにそれ以外の生活費などはすべて自分で稼げ、と小言を交えながらずっと言われてきた。
あんな小煩い両親から離れられる事がこれ幸い、と意気揚揚に承諾したのだが、
いざ生活してみると、やはり経済力というものは、人生においてかなり大きいものだという事をまざまざと思い知らされた。

アルバイトの面接に応募してはみるものの、持ち前のやる気の無さは、どうしても相手に伝わってしまうらしい。

無論、俺は不採用だ。
俺は進学先の学校から届いた不合格通知をぐしゃぐしゃにしてやった時のような気分になっていた。
ろくに努力もしないくせに、あたかも苦労をしてきたかのように振る舞い、口惜しがる事だけは人一倍の俺。

苛々を止めるように俺は煙草のケースに手を伸ばす。
銘柄は、ピース・アコースティック。
「かったりぃな…」

溜息を吐くように煙を吐き出してみる。
俺はストレス解消や楽しさの為に煙草を吹かしてるわけじゃない。頭の中で、何も考えられなくなるから吸っている。
部屋に漂う白煙に目を遣りながら、吸って吐いての行為を繰り返す。
初めは良かった、ヤニクラ――ヤニを肺に入れて、クラッとくる事――があったから、何とか適当に吸えた。次に、強いものに挑戦しまくって、より強力なヤニクラで現実から逃避しようとしていた。
だから、今じゃ何を吸っても大して変わらない。
そういうわけで、俺はピースという名前に引かれたから、ピースを買ってきた。ただそれだけだ。

……美味え。
一応そう思えるだけで十分だ。

と、突然電話が鳴り響いた。俺はクソみたいな現実に戻された。
俺は歯軋りしながら灰皿に煙草を押しつけ、受話器を手に取った。

「…もしもし」
「あ、田中飯店さん?チャーシューメン一つお願いできる?」
割と声の高めな男の声だった。
「はぁ?ちげーよ馬鹿」
そう言って乱暴に受話器を元の位置に叩き付けた。間違い電話か、大方タウンページの見間違いだろう。
下らない。そんな馬鹿の所為で、折角の煙草が一本無駄になった。
俺はケースから一本の煙草を取り出し、火を点けようとした。

プルルル……
再び電話のベルが鳴った。今度は何だ?
半ば呆れるように受話器を取る俺。
「…もしもし」
「あ、もしもし?シノザワです」
若々しく、聞いてると耳障りだと思えるぐらいに明るい声だった。
「シノザワ?」
思わず聞き返していた。俺に、シノザワなんて言う名前の知り合いなど一人もいないからだ。
「そうですけど…、あれ、カトウさんじゃないんですか?」
「カトウ……、違います。俺は田中です」
「ええ!?あ、すみませぇん!!」
「……電話番号が分からなかったら、調べ上げましょうか?」
電話口にそう呟いてみるものの、電話はとっくに切られていた。

電話番号情報検索サイト【てるジオ】。コイツがあれば住所か電話番号のどちらかしか知らなかった時、もう片方を知る事が出来る。
今でもアルバイト探しなんかで大分世話になっている。

一人で説明じみた考えを張り巡らせていると、またもや電話が掛かってきた。
「うるっせぇなぁ……」
俺は頭を掻き毟った。
今にも電話機を打ち壊しそうになるのを抑えて、受話器を取った。
「……はい、何ですか?」
「あのぉ……」
控えめな声だが、紛れもなくさっきの女の子の声だった。
シノザワ、とか言ってたっけな。
「私はシノザワコトノと言います。篠竹の篠に、三沢光晴の沢、言乃葉の言乃、です。さっき、調べ上げてくれるって……言ってくれましたよね?」

言った。確かに言った。
「はい。言いましたけど……?」
「あの……済みませんが……お願い出来ませんか?」
怖ず怖ずと俺に聞いてくる篠沢言乃。
「……いいですよ、今は暇ですし」
アルバイト不採用っていう題目で暇なのだが。
「きゃあ、ありがとうございます!!」
電話越しにでも嬉々とした表情が見えてきそうな気がした。
(……うざったいな)
あくまで相手にこちらの気持ちが伝わらないように、冷静に。
「どういたしまして。でも少し問題があって、調べるにはその人の住所、もしくは電話番号を知らなくてはいけないんですよ。つまり、貴方から情報を聞き出してしまうのは、相手にとって完全なプライバシーの侵害です」
と、最もらしい事を述べてみる。得てして、ダメ人間と言われる人種はみな、このように無駄な事を口にするものだったりする。
「そこで、一つお聞きしますが、篠沢さんの自宅にパソコンはありますか?」
「……はい。ありますよ」
「ああ、それなら都合がいい。ではインターネットの検索サイトに“電話番号情報検索サイト”と入力して、“てるジオ”と言うページを表示してみてください」
「……分かりました、早速立ち上げてみます。ありがとうございました」
「まだ早いですよ。相手の電話番号が分からなくては」
「……そうですね。すみません」
パソコンの起動音と共に、キーボードを叩く音が受話器越しに耳に入ってきた。タイピングが速い、中々使い慣れてるな。
「電話番号……、情報検索サイト……っと。……あ、出てきました!!
てるジオ、ですよね?」
「はい。後は住所……、ですね。入力すれば大丈夫でしょう」
「はい!!ありがとうございました!!」
「良かった。お役に立てたなら光栄です」
間違い電話の相手にフレンドリーに接する、これだって人間関係の形成に必要な事だろう。
今度の面接試験の時にでも、エピソードとして話すのも悪くないかもな。
「それでは、失礼します……」
俺は受話器を元に戻そうとした。
「あ、待ってください!!」
「はい……、何か?」

「もしこれから先、困った事があったらお聞きしても宜しいですか?」
彼女が俺にそう言ってきた。あまり予想していなかっただけに意外な展開だ。
まあそんな頻繁に聞きに掛かる事は無いだろう。
「……ええ、別にいいですよ」
「良かった!!じゃあ、アドレスの方も……」
「あっと。それはまたの機会にしてください。他人に情報を教えるという事は、用心しなくてはなりません。取り敢えず今日は間違い電話ではなく、目的を果たすという名義で電話のやり取りをした、そういう事にしておきましょう。いいですね?」
……よく言うよ、どれだけ俺は聖人君子気取りなんだか。口先だけは一人前、下らねぇ。
「あ、はい……。じゃあ、せめて名前だけでも、教えて下さい」
名前、ねぇ……。
まあそのぐらいなら別にいいか。
「俺は田中ヒラカズと言います。田中の平和、と書きます」
「ヒラカズ……、平和……、ピースですか、良い名前ですね!!」
少し驚いた。
彼女が俺がいつも呼ばれているあだ名を口にしたのだ。

俺のあだ名はピース。
平和だから【PEACE:ピース】。我ながら気に入っていたあだ名だった。
それに、ヒラカズと言うのをヒロカズと読み間違える奴がかなりいたので、俺はよくあだ名で呼ばせていた。
「って、すいません……今日話したばかりの人に変な事言っちゃって」
「いえ、その方が俺も楽です。良いですよ、ピースって呼んでくれて」
「え、あの……」
昔の件は説明する気はない。あだ名なんてものは呼ばせておけばいい。
「じゃあ今度こそ失礼しますよ、篠沢言乃さん」
「待ってください」
はっきりとした声だった。
「……やっぱりメアド教えたいです、何だかすごくいい人みたいですし」
「……どうしてもですか?」
「どうしてもです。嫌ですか……?」
相手の不安げな様子が手に取るように分かる。何だか口元にうっすらと笑みが浮かんでくる。
「いえ、喜んでお聞きしますよ」

こんな風にして彼女は俺にアドレスを教えてくれた。
篠沢言乃、か。
とりあえず頭の片隅には置いておこう。

俺は電話を切った。
声はわりと可愛かったんだけど、所詮彼女とは電話線一本の繋がりだ。
当分したら俺には電話がかかってこないだろう。高が知れている。

俺は胸元のポケットから煙草のケースを取り出し、その中の一本を口にくわえて点火する。

「……PEACE、か」
銘柄のプリントを見つめ、俺は鼻で笑う。
と同時に、鼻から煙が黙々と吹き出してきた。

……ちょっとだけ、面白い。






小説を考えるというより、ある世界のワンシーンを描写してみる。
今は読書の他に、こーゆーことにハマっています。
暇と創作意欲があれば、続きを綴ります。
感想があれば、尚更です。

へへへ……、きっと次回も波乱(仮)。

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