SS置き場

□純粋な狂気
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「純粋な狂気2」


瑞々しい唇を愛撫し、
僅かに開いた隙間から舌を差し入れ
夏目の口内を犯していく斑。

甘い蜜に群がる蝶のように
吸い付いて離れない。


「ンっ、はぁっ…。」


洩れ聞こえる喘ぎ声と、
熱に浮かされた夏目の表情に
脳髄が痺れたような感覚が彼を襲う。

潤む瞳に映り込む花火も美しくて
瞬きも忘れてしまうほど貪り、
蹂躙して深く味わう斑。



やがて、堪らずに浴衣の袷から
手を滑り込ませ胸の蕾も
愛撫して彼を翻弄していく。


そして滑らかな肌の感触を、
思う存分堪能すると、
夏目の最も敏感な場所へ
手を這わして行った。


触れると徐々に堅さを増して行き
ドクドクと脈打っているのが分かる。

自分が与えた快楽で乱されて行く夏目が
堪らなく愛おしい。


浴衣の帯の結び目を解き
太ももを露わにして
夏目の下着に手を掛けた。


そして彼自身を掴むと
優しく刺激を与えていく。


「あっ・・・はぁ、ンッ!!」


その度に洩れる喘ぎ声は、
斑の口内に吸い込まれては
消えていく。


徐々に先端から溢れ出してくる
彼の甘い蜜が斑の指を
濡らして行った。


与える刺激を益々強くし、
夏目を追い立てていく斑。

その度に細い身体が
快楽に震え歓喜する。


上からも下からも同時に与えられる熱と
クチュクチュと鼓膜を犯す淫猥な音が
彼を支配していく。

飲み切れない唾液が
夏目の細い顎を伝って零れ落ち
やがて凄まじい熱の奔流が
全身を駆け巡ると、一度目の絶頂を
斑の手の中に吐き出した。





時折上がる花火の音は
最早二人には聞こえていなかった。



斑に与えられる熱に
抗うことが出来ない夏目。


吐精した後の身体は
全身が性感帯のようで
何をされても大きく反応してしまう。

全神経が快楽に犯されて行く感覚。

身体の奥が火照り、疼き、
どうしようもない。

弱々しく斑の浴衣の裾を掴み
必死に耐えるも、最早限界の夏目。

羞恥心などこの感覚の前には塵に等しい。



「せんせ・・・ほしいっ。」



濡れた瞳で縋るように見つめられ
斑は少し目を見張った。


普段の禁欲的な彼からは
想像も出来ない甘い言葉が
斑を支配し、辛うじて残っていた
理性のたがを外す。

乱れた浴衣から覗く、
透き通るような白い肌。

しっとりと汗に濡れた艶やかな肢体が
時折光に照らされ浮かび上がる。

情欲に染まった瞳。

蜜を滴らせ色付く唇。

全身から立ち昇る
壮絶な色香に眩暈がする。

だがそれと同時に心の底から
歓喜する自分がいた。

快楽に染まる彼を
徐々に作り上げたのは自分自身。

口の端を少し上げ、
襲い来る激情に身を任せた。


華奢な身体を抱き締め、
高い木の上から一気に
飛び降りると、手近な場所で
彼を降ろし組み敷いた。





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