SS置き場
□気付き
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私がいるから強くなったのではないのか?
私がいるから笑えるのではないのか?
お前には私がいれば十分だ。
何も必要ないじゃないか。
それでも欲しいというのなら
そのときは―――
<気付き>
「…暑い、溶けそうだよ…。」
朝からの猛暑の為か弱々しい声音。
縁側で仰向けに転がっていた。
やっぱり地球温暖化進んでるよなーとか呟いてみる。
「日本男児たるものこの程度で根を上げるとは嘆かわしいわい。」
はぁーと一つため息を付き大袈裟に首を振った。
「何言ってるんだよ先生!扇風機を独占してる先生に言われたくないねっ!」
暑さでイライラが募る彼は、がばりと起き上がり先生の首根っこを掴んで投げた。
「にゃーーーーーっ!!!!にゃにするのだ、なつめぇー!!!」
咄嗟に受身を取り軽やかに着地する。
「お前は〜〜〜っ!!!いつか喰ってやる!
喰ってやるぞ夏目!!」
「喰われてたまるもんか!いいじゃないかこのくらい。
この前のお返しだっ!」
「まだ根に持つか…。」
「当たり前だ!落っことすなんてひどいよっ。」
彼が怒るのも無理は無い。
あの花火大会の帰りに庭先で落とされてしまったのだから。
しかも不機嫌な理由さえも理解できない。
「何で急にあんなことしたんだよ。ビックリしたんだぞ俺は。」
しっかり見据えて話すが先生はそっぽを向いたまま。
「お前が悪い…。」とポツリと言う。
「んな?!俺が悪いのか…?
もういいよ先生。…もう、言わないから。」
何だか悲しい気持ちになった。