【カラマリ劇場版アニメ化おめでとう!!】
※主人公の名前は「鈴」で固定です。



「―――うぁあああああ!!!!」


ガバリと大きな声を上げて、峰雄ちゃんが居眠りしていたソファーから飛び起きた。
その声量の大きさに、反射的に事務所内にいたメンバー全員が耳を塞ぐ。
何事!?と思いながら、声の主を見ると、顔を真っ赤にして大興奮状態だった。

(悪夢を見たわけではなさそうだけど…)

荒く吐いていた息を整えようとする彼に、すかさず笹塚さんから放たれた本がクリーンヒット。
峰雄ちゃんはそれを避けることも出来ず、見事におでこを赤く腫らしていた。


「尊!!本みたいに重いもん投げるなよ!!
 俺じゃなかったらあぶねぇぞ!?」

「うるせぇ。
 締め切った部屋の中で大声出す奴も危ねぇだろ、十分」

「そ、それは…!!!」


赤くなったり、青くなったり、峰雄ちゃんは見ていて飽きない。
そろそろ助け船を出そうかな?と、峰雄ちゃんの前のソファに座った。


「で、峰雄ちゃん。
 どんな夢見たの?
 凄い反応だったけど」


そう問えば、興奮気味に前のめりになる彼。
私の正面間近に峰雄ちゃん。
すると、その間に大きな手が差し込まれた。


「…顔が近い。
 榎本、少し離れろ」


愛時さんだ。
お兄ちゃん替わりは相変わらず、お世話がてらの注意だ。
差し込まれた反対の手には、いつの間にかミネラルウォーターが準備されていて、そっと席に座り直した峰雄ちゃんへと差し伸べられた。


「柳先輩!!!
 そう、柳先輩なんですよ!!!」

「は?」

「柳先輩がおっきくて、カッコよくて、大画面で!!!」

「ちょっと落ち着け、バカ。
 柳さんがでかくて見栄えすんのは前からだろ?」

「違うんだって、尊!!!」


受け取ったミネラルウォーターを一気飲みして、その勢いのまま、峰雄ちゃんはダン!っと机に脚を乗せた。

(あ、愛時さんちょっとそれには怒ってる)

机には…なんて思っていたけれど、峰雄ちゃんの次の言葉で、それが吹っ飛んだ。


「柳先輩が銀幕デビューしたんスよ!!!
 大画面での動き、ドアップ、事件解決していく様はめちゃくちゃカッコよくて――!!!」

「「「はぁあああ!?!!?!」」」


その場の全員、声を合わせて叫んだ。


「ちょ!!峰雄ちゃん詳しく!!!」

「いや、峰雄のことだからあんまり詳しく聞く必要ねぇだろう…とは思うけど、少し内容は気になるかもしんねぇ――端的に要所だけ語れ」

「落ち着け、お前達。
 そして語らなくていいぞ、榎本」


興味を持って自席から立ち上がり、峰雄ちゃんに近付く笹塚さん。
興奮する私。
頭を抱えて押しとどめようとする愛時さん。

事務所はまさにストッパーがストッパーにならない、カオス状態だ。
そこに


「えー、何なに?
 すっごく楽しそうなんだけど。
 ねぇ?市香ちゃん」

「外まで声が聞こえてたけど、何かあったの?鈴ちゃん」

「市香ちゃん…岡崎さんもいらっしゃい!
 聞いて聞いて!
 いや、一緒に聞こう!聞こう!」

「お前達まで…」


興奮するメンバーを押しとどめられなかった愛時さんは、流石に話を直で聞くのが微妙だったのか、奥の部屋へ避難。
劇場版!柳愛時が実は別次元で自分達も映画に出るのだという布石なのだけれど、そんなことは知らない私たちはひたすらその夢の銀幕について語りあかしたのでした★

ちゃんちゃん♪


---END---


劇場版アニメが発表嬉しすぎての一発書き。






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