灰銀書庫
□君に溶けて
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2月16日 23時59分
あと1分で…
【君に溶けて】
「薫くん、誕生日おめでとぉvV」
0時ピッタリに隣から聞こえたのは
愛しい君の声
嬉しいはずなのに…
「……ありがとう」
素直に喜べない
「どないしたん?もっと嬉しそうにしたかてえぇやん」
だって、その言葉は…
『京くん、誕生日おめでとぉ♪』
昨日、京くんに言っていたのと同じだから
『ありがとぉ!堕威くん大好きやぁvV』
受け取ったプレゼントを見てすごく嬉しそうに
可愛い笑顔で
『俺も京くん大好きやでぇ♪』
分かってる、
そういう意味の「好き」じゃないって。
でも、いつか
その「好き」が、
特別な「好き」に変わって
俺なんかいらなくなるんじゃないかって
考えただけで、すごく不安になるんだ。