nodame

□日曜日な午後
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今日は日曜日。


何をしようか。


ああ、
コンセントヴァトワールの
宿題が出ていたっけ…


僕は一気に暗い気持ちになる。


あの先生苦手
なんだよなぁー…


何かにつけてネチネチ
ネチネチネチネチ…


はぁ。


そんな時、
部屋のドアベルが
鳴った。


「Oui?」


僕は戸を開けた。


そこにはすっかり
垢抜けたターニャ。


「どうしたの?」


最近彼女はすっかり綺麗になって
僕は少しドキドキしてる。

「お昼ご飯を作りに来たの。」


まったく。
僕がいなかったら
どうしてたのか。

でもその心遣いは
とても嬉しんだけどね。


「荷物を持つよ。」


彼女から荷物を預かり、
部屋に通す。


「やーっぱり、殺風景!
この部屋!」


台所に入りながら、
ターニャは言う。


「そうかな?僕は
ちょうど良いけどな。」


ターニャの後ろについて
台所に入り荷物をおろす。


「何を作ってくれるの?」


「肉じゃがよ。」


「へぇー、楽しみだな。」




ん?
待って?




「に、肉じゃが?」


「そうよ?
千秋に教わったの。」


「千秋くんに?
なんて?」


「私が安く手に入った
ジャガイモをどう料理しようかと
悩んでたら
のだめがすすめてきたのよ。
のだめに教わるのは危ないから
千秋にレシピを教えてもらったの。」


「へ、へぇー。」


ターニャは千秋くんから肉じゃがの作り方を
手とり足とり…………




って僕は何を考えてるんだ?




「じゃあ、作るから
あっちに座ってて。」


ターニャがカバンからエプロンを出し
身に付ける。


エプロン姿…。
かわいい…。
そんな姿を千秋くんは………。





って僕何を考えてるんだ?!




「出来たら味見してね?」


ターニャがジャガイモの皮を剥きながら言う。


その言葉を前に千秋くんに…………?









って僕は何を考えてるーんーだー!!




<はい、千秋。あーん。>


<ん、うまい。ターニャ、美味くなったな。>


なーんてことが!




「絶対にダメ!!!!」


「ヤス?何?どうしたの?

味見いやなの?」


「あれ?いや、全然。
喜んで受けるよ。」


ターニャが首をかしげ
ジャガイモの皮剥きを再開する。


僕はカウチにゆっくりと身体を沈める。


どこからか千秋くんの声がした。


『嫉妬?』


そうなのかもしれない。

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