nodame

□いつもの中華屋で
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「ねぇ、ここが裏軒?」


「そうだよ。」


僕らはタクシーを降りる。

「いつもこんななの?」


ターニャは裏軒の看板を指差す。


指差す先には、キラキラと光る裏軒の看板。
とても……ゴージャスに飾り付けがしてある。


「お店の主人がお祭り好きだから。
中に入ろうか。」


本当に好きかは、知らないけど、軽く流してターニャの背中を押す。


ガララララ


店の引き戸を引き、中に入ると感じる視線。


おしゃべりの声が一斉に止む。


「……………や、やぁ。元気だった?」


僕はおそるおそる言ってみる。


まだ沈黙。


「た、ターニャ!!


むっきぁー!!!!」


ボフッと大きな音を立て、ターニャにアタックする………


「恵ちゃん?!
なんでここにいるの?!」

僕は唖然とする。


「のだめじゃない!
どうして?あなたも、“ご挨拶”みたいな?」


「いえ、のだめはもう両家公認の彼女なのでぇ!ぎゃっはぁ!
あ、そだそだ!みんなにターニャを紹介しなきゃ。」

くるりとみんなの方を向く。


ち、ちょっと待って!


なんで恵ちゃんがいるの?
というか、紹介は僕からしたいし!

だから、恵ちゃんがいない日を狙ってきたのに!


というか、恵ちゃんがいる

ということは


僕はおそるおそる横を向いた。
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