nodame

□太陽と草むしりとキス
1ページ/1ページ

ヤス×タニャ


ジリジリと私の肌を焦がす太陽をおもいっきり睨む。

まだまだ6月のくせに、太陽の光は一丁前に夏の日差しで。


せっかく頑張ったお化粧も汗のせいで台無しだ。


「ね、ヤス。
中に入って涼まない?
もー、限界よー…。」


ふーと勢いよく息を吐き、手で顔を扇いで見せる。


「そうだね。そうしようか。」


ヤスは立ち上がると、手に着いた土を払い、鎌を丁寧に道具箱にしまう。


「ターニャ、終わったの?」

管理人部屋からアンナが出て来た。


「あと少しよ、アンナ。
ねぇ、ユンロンとかのだめとか他に人居ないの?
2人で草むしりなんて埒開かないわよ。」


「居ないのよ。もう皆示し合わせたように、朝から居ないんだから。
たまには家賃滞納の分、草むしりでなんとかしてあげようかしら?なんて思っているのに。」


アンナはやれやれと頭を振って、あと少し頑張ってね。と言って去っていった。

「私、家賃滞納してないのに。
というか、今日私も予定バリバリ入ってたのに。」


アンナが去っていった方を見て頬っぺたを膨らませた。


「まぁまぁ。
良いんじゃない?たまにはこういうデートも。」


ヤスが私に近づいて私の膨らんだ頬っぺたを潰す。


ヘンな音を立てて、抜ける空気。


「嫌よ。田舎じゃあるまいし。」


「そうかな。」


ヤスが私に一歩近づく。


手がまだ頬っぺたに触れたまま。


「ええ、そうよ。」


ヤスの顔が目の前に現わる。


「僕は悪くないと思うけどな…。」


そう呟いてさらに近づくヤスの顔。


私の顔に影を作る。


ヤスが少し私を引き寄せる。


私は目を閉じた。


唇にこの太陽に負けないほどの、甘く、熱いキスを感じた。


太陽草むしりキス

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ