幻想の書

□黒の道化と白の道化〜オーギュストとクラウン〜Tーはじまりの合図と氷の美女ー
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君の騎士になったときから覚悟してたよ−お前の主になったときから覚悟していたー 自分はこの方の為に死ぬと−私はこいつを絶対に死なせないとー ーーそう自分に思いこませていたーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 運命は動きだす。螺旋のようにクルクルと・・・。白と黒、愚かな道化と白い道化は混ざり合う。追い、追いかけられ、混ざり合い消えてゆく。 それは永遠に続く運命の連鎖。決して変わることのない永遠のもの。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 朝になり、日差しが射し込み鳥がさえずる。そんな平和な朝1日のはじまり。 まだあまり人が通っていない道をフワフワとした茶色の髪を揺らし、焦りの色が宿った翡翠の瞳を細めながら、ただただ主の為に少年は走るもともとはまだ家でゆっくりしているのだが、彼の大切な主が一人勝手に学校に行ってしまったのだ理由は「ヒマだから」自分の静止も効かず置いて行かれたのだ。そのことを思いだしため息をつきながらも少年は自慢の身体能力をフル活動させた。
そんな少年の思いはつゆ知らず、少年の主である少女はのんびりと学園への道を歩んでいた。微かに鼻歌が聞こえることから、恐らく上機嫌なのだろう。 足取りもスキップ混じりである。 しばらくして学園の前に着き門を開け、入ろうとしたところで少女はピクリと動きを止めた。少女の周りの空気が険しくなる。ピリピリと少女の体にまがまがしい邪気が降りかかる。それをものともせず振り返り、少女は学園のすぐ前にある裏道へと続く道を鋭いアメジストの瞳で睨みつけた。
しばらくその睨み合いは続いたが、相手が痺れを切らしたのか、邪気が増した。一気に殺すつもりだろう、邪気はどんどん増していく。それに反応して少女の背まである艶やか漆黒の長い黒髪がフワリと宙を舞う。少女が身に着ける制服も神同様宙を舞った。 少女が戦闘体制に入ろうとしたそのとき大風が少女の周りを吹き荒れた。
「くっ!」と少女が大風から身を守ろうと体を縮めようとしたそのときとても暖かくて力強い大きな腕が少女を守るように包み込んだ。しばらくして大風が止むと腕は少女の体から離れた。そしてガッと肩を力強く掴まれた。すると澄んだ少年の声が頭上から降ってきた。「大丈夫!?、ルルーシュ怪我していない!!!?」顔を上げるとフワフワでクルクルとした茶色の癖っ毛の髪と意志の強い輝きを秘めた翡翠の瞳があった。
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