+Novel+

□欲しいものは
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「ねぇ、篤さん」

髪をしっとりと濡らしたままでベッドにゴロリと横になる郁が上目遣いで俺を呼んだ。

「なんだ?」

「篤さん、もうすぐ誕生日ですよね。何か欲しいものとかあります?」

ニコニコと微笑む顔が堪らなく可愛い。
本人は全く気が付いていないから厄介だ。

「別に…」

「特になしってのはなしです」

俺の返答に見事に釘をさし、なんでも良いのでなにか言って下さい、と郁は言葉を重ねた。

「…なんでも、良いのか?」

「はいっ!」

「…本当に、か?」

念を押すと郁は首を傾げたが、すぐにまた無邪気な笑顔ではい、と言った。

心から俺を信用しきっている郁を見ると、たまに意地悪がしたくなる。



「…じゃぁ……」



ミシ、とベッドのスプリングが軋む音が響く。
片足をついて郁の頬を撫でると、郁はきょとんとした顔をした。



「……郁が、欲しい」



顎をくいと引っ張って、その無防備な唇に噛み付いてやった。

「…っ…ふ…、」

微かな喘ぎ声。
それだけで充分だった。


始まりと同じくらい唐突に唇を離すと、顔を真っ赤にした郁がいて。

「…かっ…からかわないでくださいっ!」

…なんて、あんまり的外れなコトを言うもんだから。

「俺はあくまで真面目だが?」

もう一度キスしてやろうかと顔を近付けたら、思い切り突き飛ばされてベッドから転げ落ちた。



―――なんでだ!



「篤さんなんか嫌いっ!」

ぶくぅと頬を膨らませてそっぽを向いた恋人を、寝転がった床から見上げた。



俺が欲しいのは、



お前と一緒にいられる時間だけだよ。



………郁………














この気持ちを伝える日はそう遠くないはず。

◆   ◆   ◆   ◆   ◆







aikoさま1111HITキリリク、図書館戦争 堂上×郁で甘々…でした。

aikoさま、長らくお待たせして本当にすいませんでした!
しかもあんだけ待たせといてこんなぐたぐだな…Orz

こんなんでよろしければお持ち帰り下さいませ!←必死

…つーか誰でしょうね、このエロ親父(爆)



20080630

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