小説
□い
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最初に会った場所とか、正直覚えてないんだ。
ただ、その姿に目を奪われて。
綺麗だ、そう思った。
彼に会う度好きが増えていって、彼と別れる度切なくなった。
こんなにも彼が好きなのに、伝える術を俺は持っていない。
「トウヤ、」
彼がそう俺の名を呼ぶ度、どうしようもなく抱き締めたくなる衝動に駆られた
そんなこと、出来るはずもないのに。
無い物ねだりな俺は、結局何も手に入れることは出来なかった。
「君の夢、叶えろ」
彼は最期にそう言った。叶えたくても、彼がいなきゃ意味がないのに。
共にまた戦う日を夢見て、今日も俺は相棒のゼクロムとイッシュの空を見上げる。