駄文置場

□月下のワルツ
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王の座を賭けた最後の闘いの前夜

美しい満月の夜

その淡く優しい光の中に佇む、一組の男女がいた

白いドレスの淑女と
黒い衣装の魔物・・・

「・・遂に、明日ね」

ふいに、淑女は口を開いた

「・・・あの子達を倒してしまったら、もう・・・」

「・・・・」

「この闘いは終わってしまうのね・・・」

悲しみを孕んだ声、
魔物は淑女を見た

「それが、お前の当初の目的だった筈だ」

この馬鹿げた茶番の早期終了、そして・・・

「あの女も元に戻った、
心残りは無いだろ・・?」

命の恩人でもある、親友の奪還、
確かに当初の目的なら果たされている

「感謝しているわ・・」

「そういう事を、言いたいんじゃ無い」

淑女は、それまで月を映していた青い瞳を魔物に向けた、

魔物の赤い瞳とかち合う

いつもと同じ不機嫌そうな、
なのに、珍しくどこか心配そうに自分を見る彼の赤い瞳

淑女は軽く、
しかし、穏やかに微笑んだ


月明かりが降り注ぐ、輝く草原の海の中・・・
淑女は一歩踏み出し、そして優雅にくるりと舞った

金色の髪が、まるで星屑を宿したかのように瞬く

「ブラゴ・・・」

そっと、淑女は手を差し延べた

愛しい彼へ・・・

「踊りましょう」

しばしの沈黙の後、

「・・・・・フン」

とだけ言い、魔物は静かに淑女の方へと歩み寄り

自らに伸ばされた、その手を取った


明日には別れが決定している二人

今はただ、この優しい月明かりの下、

幸せなワルツを・・・

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なんか、スッゴい乙女チックなのを書いた気がする・・(汗)
相手がツンデレ大将軍だから仕方が無い

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