日々夫婦漫才

□愛をちょうだい(○)
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「先生っ…」
「おぉ、新八か。卒業オメデト」


そんな言葉イラナイ…
僕が先生から貰いたいのは…


「卒業生、入場」

体育館に響く、マイクを使った声が拍手とともにかき消される。

「はー緊張するアル。」
「神楽ちゃんも緊張するんだ?」
「あの薄らハゲのパピーが来てるんじゃないかってそれが一番心配ネ」

僕たちZ組の順番は卒業生の中では最後でもちろん、担任は

「ってか、俺が先頭歩かないとだめなの?なんか、みんな俺についてこーい、みたいな?」

銀八先生は冗談を言いながら少し緊張しているのか顔がひきつっている。

「新八ぃ〜」
「は、はいっ」

先生は僕の頭をポンと叩き、フッと笑った

「今日は晴れ舞台だからな、泣くなよ?」
「…先生こそ、ハンカチ持ってきました?」

二人とも、顔を見合わせて笑っているとZ組の順番が回ってきた。

「よっしゃ、みんな気合い入れて行くぞ」

拍手の中を一歩一歩、前を歩く生徒の間から先生の背中を見つめながら僕は歩いた。

今日で最後だから…
伝えないといけないんだ。

「えー卒業生のみなさん、ご卒業―…」

校長の式辞が長いのはみんな承知の末の話で、僕はボーっと聞き頭の中はずっと先生の事でいっぱいだった。
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