小説執筆2

□bump!
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うららかな昼下がり。
鳥のさえずりや人の声。
久々の柔らかいベッド。

何もかもが安らかだと言うのに、
心臓は逸るのをやめようとしない。

「だ、旦那」

ギシ、とベッドが軋む音。
さすがに、いい歳した男が2人乗るには向かないからだ。

そう。
俺は今、旦那に押し倒されて馬乗りされている。

「(ええと、ええっと、お、俺なんかした、あ、頭がうまくまわらな、)」

無表情で俺を見下ろす旦那とは正反対に、顔が紅潮するのがわかる。
原因はまるでわからないけど、この体勢は、とても……オイシイ。

「おい」
「はいっ!えっえぇ!」

状況に不相応であろう思考にはまりかけていたら、旦那がゆっくりと顔を近付けてきた。
ただでさえ上手く動かない頭の中が停止する。

「お前、自分ばっかりが好きだと思っているだろう」

少し伏せられた目でじっと見つめられる。
あ、髪も睫も瞳も同じ色…いや、髪の方が少し暗い、とか余計なことは浮かぶのに、出てくるのは冷や汗ばかりで何も言えない。

「私がお前を何とも思ってないんじゃ、とか」

ああ、そうだ。どうしてこんなことになっているのか。

なんか、俺ばっか…

ぼそりと呟いたのだ。部屋で落ち着くなりいつも通り本を開いた旦那を見て、ふいに。
特に重要なことではない、本当にふいに言ってしまった。
そうしたら視界がぐらりと変わって、これだ。
確かに、旦那って俺のこと好きなのかなと思う時もあるけど、実際やる事はやらせてくれるし…
やる事っていうか、ヤることっていうか……へへっ

「馬鹿な奴だな」
「ごっ、ごめん」
「お前が、欲しいばかりに本質を見ていないんだろうが」
「すいませ…」
「それくらい推し量れないようじゃ、まだまだ愛が足りないなぁ、チェスター?」

ずっと無表情だった口元が、ニヤリとしたのが視界の端に見える。
それくらい、距離が無い。

あ、キスしたい。

「旦那、」
「欲しがってるモノ、あげようか?チェスター君。」

ああ、お願いだ。

クレス、あと2時間帰ってくるな。






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