小説執筆2

□血液型
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女性陣が学食で会話に華を咲かせていると、リノアが思い出したかのように突然こんな話をし始めた。

「あたし自分の血液型知らないんだよね」
「え、そうなの?」

別に血液型に関する話などしていなかったのだが、女性の会話とはそういうものだ。
キスティスが訊くと紅茶を飲みながらリノアが頷く。

「へえー、もし輸血とかする時に困るね」

セルフィは言いながらケーキを頬張る。

「エスタで調べてもらおっかなぁ。あ、スコール達だ」
「あ、本当だー」

リノアの目線を追うと自販機の前にスコール、サイファー、アーヴァインが揃っている。
コーヒーを買いにきたらしい。

「ゼルいないね」
「図書館じゃない?」
「ああそっか!んふふ」

遠いので会話は聞こえないが、スコールとサイファーがふざけてアーヴァインに奢らせようとしているようで、それを周りの学生が見ている。
如何せん見た目が人並み以上の3人なので、妙に目立つのだ。

「そういえばさぁ、みんな血液型何なんだろう?」

スコール達が結局それぞれにコーヒーを買うところを眺めながらリノアがぽつりと言った。

「言われてみれば知らないわね」
「まぁ知らなくても困らないしねえ」
「ああでも気になってきた…ねえスコール!!」

呼びかけに気付いてスコールが振り返ると、同時に他の2人も振り向いた。
大きく手招きすると3人で顔を見合わせている。

「ちょっと来てー!」

セルフィが叫ぶとまた3人で顔を見合わせて、やっとリノア達の方に歩いてきた。

「何か用か」
「うん、ねぇ血液型教えて」
「血液型ぁ?なんで。」
「気になったから!」

珍しく革手袋をしていないので湯気のたつ紙コップを持っているのが熱いらしく、3人ともテーブルに置く。

「僕はA型だよー」
「あら、私と同じね」

アーヴァインがにこやかに教えるとキスティスが答える。

「サイファーは?」
「O型。」
「わ、っぽいなー!」
「B型って感じもするけどね」
「わかるわかる」

サイファーが教えると全員が納得する。
そして、

「スコールは?」
「AB型。」

「………え?」
「だから、AB型。」

スコールに関しては、皆が固まった。

「……A型じゃないの…!?」
「あ、でもちょっとわかるかもしれない…」
「本当に!?本当にABなの!?」
「イメージでは完全にA型なのにね!」
「でもお前人として変わってるとこあるもんな。」
「あんたに言われたくない」

「なんだお前ら賑やかだなー!」

予想外の盛り上がりを見せた血液型談義をしていると、ゼルが焼きそばパンを頬張りながら現れた。

「ゼル!ゼルって血液型なに?」

「ん?B型!」
「あ、あたしと同じだー!」
「セルフィもB型か!」




「うわ…なんかすげーわかるわ…」
「こう…B型しかないよな…」
「ああ……」

「え、何だよ盛り下がるなよ!!」



血液型はあてにならないとは言い切れない、と後にリノアは語る。




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