もうひとつの世界

□二章 兆し
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「転校生は?」
「園長が連れて来るってさー。」無責任でごめんなさい。
教室は、散らかっていた。
「本当にみんな元気だねー。トランプ・チェス・オセロ・・・木刀・・・?あ、お菓子もある!不良のたまり場みた〜い!」
「なに目を輝かしてんだよヤ」殴る。
「いったーい!ひどいよー。」それを見ていた生徒が、
「先生も食べるー?」お菓子をくれたので、
「ありがとう!」ファイは幸せだった。

カラン♪

「朝の会、始めてー」いつの間にか教室はきれいになってた。飴をなめがら言うファイ。
「はーい。」ポッキーを食べながら言うゆずりは。誰も、何も言えない。黒鋼も呆れるだけ。
「あ、転校生いるんだよー。入って入って。」

ガラ・・・

その途端、黒鋼の表情が硬くなった。
「自己紹介してねぇ。」
しっかりした子だった。
「はい。おれは小狼です。隣にいるのがサクラ・・・です。今日からお世話になります。よろしくお願いします。」サクラも頭を下げた。
「すげーかわいい!かっこいい!」みんな騒ぎ始めた。
「んーと・・・席は・・・」
「ここがいいんですけど・・・」窓側の、しかもファイの近く。ファイは、逃げられないなぁと思っていた。サクラはずっと黒鋼を見ていた。午前中・・・ずっと・・・。

お昼
「う〜ん・・・やっぱりここのカレーうどん最高!」「叫ぶなっ!静かに食べろ!」
「黒りんこそ静かにねーって・・・なにげ大盛りじゃん。」食堂で盛り上がってるとこに・・・
「あの、ここいいですか?」小狼だ。
「い〜よ。サクラちゃん・・・だっけ?きみも。」
四人は向かい合う形になった。
「けっ・・・。」黒鋼は嫌そうな顔をした。なにを話そうか迷っていたが、小狼が口を開いた。
「お久しぶりですね。黒鋼さん。」
「ああ・・・」
「えっ?知り合いだったのー?どんな関係?」
「あ・・・えと、剣の使い方を教えていただいてたんです。何か取り出した。
「剣道じゃなくて?」
「はい。」
「本物ー?」
「はい、本物です。」よく学園の中に・・・
「持ってくんなよ・・・」そう言う黒鋼も持ってる。
「じゃ、サクラちゃんは?ずーっと黒様見てるけどー。」
「う゛・・・」
「はっもしかしてロリコン!?」古い漫画の乙女ポーズ。
「ちげぇっ!!俺の・・・妹・・・だ・・・。
「えーっ!?ちがうっしょ!ないない・・・。」
サクラが紙切れを出す。
〈本当です・・・〉そう書かれていた。
「マジで・・・!?」
「本当だ。現実逃避すんな。」ガシッ 掴まれた。
「嘘だー!」すごいショックを受けたファイ。
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