短編集

□懐かしい日々を
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幼少銀時




―無い無い無い無い無い無い無い無い無い無いっ!!―


心の中で大きな叫びを上げたのは銀髪の子供。
彼は今、独りで墓場にいた。


―マジでねーよ。何でヅラと高杉は先行っちまうんだよっ!!―


有り得ねぇ、有り得ねぇ、有り得ねぇとまるで呪詛の様にただ呟きながら決死の思いで墓の間を通り抜けて行く。
その時、青白い物体が彼の頬を掠める。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


とかなりの大音量で叫ぶと……


「ハハハハッ!!引っ掛かりやがったーー。」


と笑う子供達の声が。
何処からだ?と辺りをキョロキョロと見回すが分からない。



――すると



「君逹、何をしているのですか?」


遠くから聴こえる恩師の声。


―松陽先生だ……!!―


助かった……と安堵の息をもらす。
そういや、誰だよこの悪戯……!!!と半ギレ状態で草場を覗き込むと松陽に説教をくらっている高杉と桂の姿であった。


「あぁ、銀時。もう大丈夫ですよ。お化けは居なくなりましたから。」


と手を差し伸べる松陽の手を握り返し羨ましげにしている桂と高杉にベーっと舌をだし悔しがる2人をみて優越感を感じたかの様に松陽の隣に並んで歩いて帰って行った。





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