短編集

□ある日、ある時。
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ある晴れた空。

其れにそぐわない、派手な着流し、煙管。

その男の目線の先には、一件の店――[万事屋銀ちゃん]


「此所かァ。」

男は1人呟く。











五月蝿いガキ共が居なくなって、ようやく万事屋が静かになる。



ピンポーン、ピンポーン。
ベルが鳴る。

ったく、誰だよ。銀さんのせっかくの休日を妨げる奴。依頼なら、高い金出させよう。と思いながら、玄関に向かう。

「はいはーい。今出ますよっと。」


ガラッ


開けやがった、人ん家のドアを・・・と思うとそこには、


「高杉・・・。」


「よォ、久しぶりだな銀時。」

祭りの時会った時とは、また違う、濃紺に桔梗の花の着物。

「上がるぜェ。」

「あっ、オイ。ちょっと。」
高杉は、勝手に人ん家に上がっていきやがった。


「オイ、高杉ッ!!」

「何だァ?」


勝手に万事屋のソファーに居座り、煙草盆も無いのに煙管をふかす高杉。


最近、俺の周りにゃ煙草吸うヤツしか居ないから煙管独特の匂いが鼻につく。


「何だァはこっちの台詞だ!!何なんだよ。いきなり俺の家に来て。」




って、オーイッ!!
何でそんだけで赤くなんの!?
真面目にコイツ意味わかんねェーーー!!




「・・・・・・かった・・・。」


「はっ!?」


「銀時にッ、会いたかったンだよッ!!」


「・・・マジで?」


コクンと頷く高杉。


あー!!畜生何だコイツ可愛い過ぎんだろ!!


顔なんか真っ赤だし・・・。

戦争経験者と思えない程、筋肉付いて無くて細身だし、何なんだコイツ!!

「……銀時??」

おわっ!!いきなり上目遣いで此方見んなっ!!


ヤバい、ヤバい、ヤバい!!

このままだと、アレだよ、アレ…………。


「…銀時…。」


「なっ、何だよ。高杉。」


「せっかく来てやったのに俺はほっとかれてんのか?」


改めて、高杉の顔を見る。

あっれ〜〜?
右のこめかみに血管が…………って俺ヤバい!マジでか!?


「ほ〜〜〜。せっかく人が自ら出向いてやってんのに、それを無視か……。」


「えっ、……ちょちょちょ晋ちゃん??」


「晋ちゃん言うなっ!!」


ヤバいです。非常にヤバいです。銀さん晋ちゃんの地雷踏んじゃったみたい。


「……あぁー。もー嫌だ。帰るわ、俺。」


「えっ、ちょ晋ちゃ……じゃなくて晋助!!」


必死に俺は止めたのに。
晋ちゃんはものっそい勢いで玄関から出ていきましたとさ。




チャンチャン♪


(ってチャンチャン♪じゃねー!!)


◇◇◇◇
お目汚しすみませんでした。m(__)m


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