短編集

□それぞれの路
1ページ/2ページ





首筋に伝わる冷たい感触。

顔を上げるとしてやったりと笑う高杉がいた。


「……銀時ィ、オメー弱くなったな。」


銀時は答え無い。


「なァ、白夜叉は何処行った?」




「…白夜叉何ぞもうこの世にいねーよ。」


「可笑しいだろ。………じゃあ、オメーは誰だ?」


「さーね。」






すると、いきなり銀時が高杉を突き放す。


「でもオメーと殺り合えば、白夜叉と逢えるかもなァ。」


銀時の台詞に高杉は目を丸くする。


「……ククククッ………。そうだよなァ。」




高杉は銀時に再度刀を向ける。


「来いや、銀時ィ。……否……白夜叉ァッ!!」




駆け出した二人の後ろには、かつて契りを結んだ桜の木が下弦の月の光を受けたっていた。





終幕→後書き
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ