短編集
□それぞれの路
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首筋に伝わる冷たい感触。
顔を上げるとしてやったりと笑う高杉がいた。
「……銀時ィ、オメー弱くなったな。」
銀時は答え無い。
「なァ、白夜叉は何処行った?」
「…白夜叉何ぞもうこの世にいねーよ。」
「可笑しいだろ。………じゃあ、オメーは誰だ?」
「さーね。」
すると、いきなり銀時が高杉を突き放す。
「でもオメーと殺り合えば、白夜叉と逢えるかもなァ。」
銀時の台詞に高杉は目を丸くする。
「……ククククッ………。そうだよなァ。」
高杉は銀時に再度刀を向ける。
「来いや、銀時ィ。……否……白夜叉ァッ!!」
駆け出した二人の後ろには、かつて契りを結んだ桜の木が下弦の月の光を受けたっていた。
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