Long Story
□o●giada●o番外編
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じわりじわり、
溢れくるこの想いを
甘く切ないこの気持ちを
狂おしいほどに高ぶるこの感情を
全身全霊で受け止めてくれますか?
愛おしさが
止まらない―――
「恭弥〜…んな仏頂面すんなって」
頭上…肩のすぐ横から聞こえる情けない声。それと同時に後ろから僕を抱きすくめる腕が強くなる。
こんなのが僕より強い、なんて信じられない…いや、信じたくないよ。
「うるさい、貴方のせいで予定がめちゃめちゃだよ」
ああもう、ただでさえ近頃は銀色の毛並みの犬が入り浸ってて書類どころじゃなかったのに…
今度は蜂蜜色の大型犬…とことん犬に縁があるみたいだね、僕は。
「なぁ恭弥〜、いいだろ?ちょっとくらい休憩したって」
ぎゅう、てだんだん腕の力が強まる…ヘタレのクセに無駄の無い筋肉の付いた成人男性なわけで、さすがに苦しい。
仕方ないね、もはや締め上げると言っても差異のない腕をやんわりと解く
くるりと身体を反転させて
拗ねて尖った唇に口付ける――
「お願い、だから少しおとなしくしてなよ?」
何が起こったか理解していない内に問い掛ける
きっとほとんど無意識で頷いていると思う。
僕は早く書類を片付けないとね
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…なんだろう凄く背中が重たい。
待ちくたびれて眠った?
「全くこの人は…」
ちゃんと待てたご褒美だよ
こんな事するのは今回が最初で最後。
しっかりと自分に言い聞かせて
少し力の抜けた腕から抜け出す
傾いた身体を支えて
すぐ隣に腰を降ろした
体制を整えてから膝に頭が乗るように
自分より少し大きい身体を横たえた