novel
□ユーリとヴォルフラム2
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次の日の朝……。
「よ〜し。
じゃ早速、昨日撒いておいたパンくずを辿って……って、
ない!?」
「ないっ……て、何がだ?」
ウロウロと落ち着きなく地面を探すユーリを見て…
すぐにその可能性に辿り着く。
「まさか、パンくずとかは言わないだろうな!?」
ヴォルフの問いに、ユーリは諦めて小さく頷いた。
「…悪い。そのまさかだ」
「…………だから……」
「?」
「だからお前はへなちょこだというんだっ!!!」
「うっ……。へっ…へなちょこ言うな!」
「うるさいっ!へなちょこだろうが!?」
「しょっ…しょうがないだろう?
お腹をすかせた獣さんや鳥さんたちが食っちまったんだから…」
ヴォルフの剣幕に、やっとのことでそれだけ反論したが、
相変わらず彼の怒りは収まるところを知らないらしい…。
「この考えなし!!!」
「だっ…だったら、お前が何か考えろよー!!」
『…………………』
「……やめよ。余計疲れる…」
「………同感だ」
特に良い考えも浮かばず、ペタリと二人はその場に座り込んだ。
「……で?この後はどうする気だ?」
「…う〜ん……。とりあえず歩いてみるか。知ってるところに出るかもしれないし…」
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