novel
□ハッピーバースデイ
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――おれが…座っていた。
右脇を、辞書やら参考書。
左脇は、男が持つにしては随分ファンシーすぎるグッズで固められている。
お袋と、兄貴と、親父が居て。
テーブルの中央には、ろうそくの吹き消された丸いケーキが鎮座していて。
――この光景には……覚えがある。
あぁ、ほら。
おれが困ってるよ。
兄貴の問題集はまだ難しすぎるし、お袋の人形は明らかに女の子向けだ。
それよりも……
ほら、あれがいい。
親父が持ってる、グローブと野球ボール。
それが一番、喜ぶと思うよ。
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