novel

□王様の耳はくまのみみ
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「朝起きたら生えてました…」

寝起き直後、ひとまずパジャマからいつもの学生服に着替えて、
早朝から3兄弟と顔を合わせつつ、イスに座ったところで、
あまりの居た堪れなさに丸くなりながら、ポツリと言った。



.■王様の耳はくまのみみ■.



「そうか。
なら、ぼくと状況は同じだな」

隣のヴォルフも、同じようにイスに座って丸くなっている。
このまま放っておけば、イスの上で体育座りしちゃいそうな感じだ。
居た堪れないのは皆同じらしい。

「全く。一体何だというのだ」

一番かわいそうなのはグウェンダルだ。
いつもの威厳を保とうと必死に堪えているのはわかるけど……
頭の上にそんな可愛いものを乗っけたままじゃ、威厳も何もあったもんじゃない。

がっくりと……おれ、ヴォルフ、グウェンの3人が肩を落とした。

「まあまあ。三人とも落ち着いて」
「あんたはいいよな。一人だけ難逃れしちゃってさ」
「すみません」

さして悪びれたふうでもなく、コンラッドが軽く微笑んだ。
一人だけ、頭の上にコレが生えていない。

「とにかく、今までの状況を一度整理してみましょう」
「整理って言ってもなぁ……」

とりあえず、昨日からの一連の行動を思い出してみる。

昨日は午前一杯ギュンターが付きっ切りで眞魔国の歴史勉強。
午後は何とか抜け出して、適当に城内をブラついていた。

…………それだけ。
特にいつもと変わった所はない。

そして今日。
いつものようにコンラッドとジョギングへ出ようとした時…。
思えばそれが、全ての悲劇の始まりだったわけで……。


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