novel
□でぃあ ふれんど
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早朝から鳴り響いた携帯電話にたたき起こされた。
こんな時間にアラームなんかセットしたかな、と瞼をこすりながら画面を見る。
着信アリ。
「助けてくれ。例の奴らに追われてるんだ!」
もうダメかもしれない…の言葉の前に、ブツっと携帯が切れた。
「…あ。電池切れだ」
.■でぃあ ふれんど■.
現在の状況。
――渋谷家in炬燵。
小さな机の上には、美子さんから差し入れで貰ったみかんと、
広げられた眩しいほどに真っ白なノート。
「で、どうしたのさ?みあみーご」
「えーと…」
渋谷はこちらにみかんを差し出しながら、ばつが悪そうに目線だけでノートを指した。
「例の奴らです」
明後日から学校だとは思えないほど、きれいさっぱり何も手が付けられていない宿題=例の奴ら。
「まあ、そんなことだろうとは思ってたけどね。いいよ。手伝うよ」
「有難うございます!神様、仏様、村田様!」
パンっと顔の前で両手を合わせて、ホッとしたように渋谷が笑った。
神様や仏様は、果たして魔王にも手を貸してくれるんだろうか。
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