東方肝試行

□第七話
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「あんた、亡霊なのに?」
「いやさ、あたしは人間が嫌いだから亡霊になったのさ。
嫌いなやつらと同じ種族でいたくなんかないからね」
「まあ、それはわかるぜ。
でも霊といったら基本的に人間と仲がいいはずだぜ?そもそも亡霊も元は人間だしな。
ただお前の場合は人間が嫌いだから亡霊になったんだろ?
とどのつまり自ら自殺したってことか?」
「まあ、正解だな。
あたしは人間に復讐するために死んだのさ」
「復讐?」

「そうさ。
あたしがまだ人間だったころ、子夜と境界の管理をしていた父上との三人で暮らしてたのさ。
そのときは幸せだったよ。
子夜と沢山遊んでね。
でもね・・・ある日父上が同僚にからまれた」
「・・・・・・」
「それでね、父上は一方的にストレス解消のためだけに殴られた。殴られ続けた。
あたしだって言ってやったんだよ。父上が集団暴行を受けてることを。
でもさ、上司もまったく聞き入れてくれなくてむしろ厳しくあたった。
こうしてあたしの父上は誰にも救われることのないまま死んでいった」
「・・・だから人間たちに復讐しようと?」
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