何か小説とか
□甲斐の国の幽霊楽団(後編)
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「・・・・・・」
そう、もちろん真田幸村のことである。
魔理沙が見たところ、どうも腑に落ちない表情をしているようだ。
しかしお前の恋人はすぐ目の前にいるんじゃないのか?
そう魔理沙は思ったのである。
「おーい、赤いの」
「っ!?そ、某は赤いのではないでござる!」
一瞬びくっとしたようだったが、またいつも通り音量の大きい声が響いた。
「そうだ、やっぱりそれがお前らしい」
「・・・?」
「先ほどまでのお前はお前らしくなかったぜ?
何か悩みでもあったのか?」
「・・・いえ、そこまでのことは」
しかしまた、あまり元気のないような感じになった。
なんかなあ、と魔理沙は思った。
彼女の近くにいるのは先ほどからいちゃつき始めている竜の右目と真田の忍。
あとは元気のないいつもの赤いのぐらいか。
「何か悩みがあるんならそこの忍に言えばいいじゃないか」
「いえ、そういうわけには」
「そうかそうか、なら人には話せない悩み事なんだな?」
「っ!!そ、そうではないでござるー!」
「本当か?」
「本当です!」
にしてもやっぱり様子がおかしいと魔理沙は思っている。
・・・それ以前に何故リリカしかいないのだろうか。
普通なら姉二人もセットのはずだ。
ほかの二人はいったいどうしているのだろうか。
まああまり深く考えることではないだろう、と魔理沙はそこで考えることをやめた。