東方肝試行

□EX第四話
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「ならば・・・これで最後よ!
『リバース・ラヴァーズ』!!!」

愛子が懐からさかさまの形でタロットカードを一枚取り出す。

「あれは・・・タロットの『ラヴァーズ』ですね。」
「その通りよ・・・
意味は『嫉妬・裏切り(Wikiぺディア参照)』!!」
「今、余計な表示まであったような気がしましたが・・・
とにかく、それでどうやって攻撃を?」
「ふふふ・・・今にもわかるわ・・・」

そして、そのタロットカードは何か違うものに形を変えた。それは・・・

「魔理沙のマスタースパーク!?」
「さあ喰らいなさい!
そして、友人に裏切られたかのような失意のどん底へと堕ちるがよい!」

驚くことに、その声も愛子のものではなく魔理沙のものへと変わっていた。
そして変形したタロットカードから、マスタースパークが放たれる。

「・・・確かに、強力なスペカもコピーできるし、与える精神的ダメージだって大きいでしょう。
でも・・・あんたには一つだけ誤算があったのよ」
「ご、誤算・・・?」

友人の声と技を見ても尚、霊夢が余裕そうな顔をしていたことに愛子は驚きを隠せなかった。

「それはね・・・
幻想郷にはそんな限りなく常識人らしい感情を持つものなんていないのよ!
「んなっ!?
あ、貴方、友人に裏切られても平気なの!?」
「平気よ。
そもそも裏切ろうと思うやつなんてそうそういないわ、得なんてまったくないしね」

そして、霊夢もとどめとばかりにスペルカードを取り出した。

「さあ、あんたの完全敗北よ・・・
天・覇・風・神・脚!!!

霊夢の蹴りがマスタースパークをぶち抜け、愛子を勢いよく吹っ飛ばした。

「や、やりましたよ時音さ〜ん!」
「さすがの堕天使も再起不能ですね」

という会話を繰り広げているうちに、洗脳されていた者たちも、ようやく正気を取り戻した。

「あら?私は・・・」
「・・・どうやら、あの堕天使に踊らされてたようだね」
「おお、無事か佐助!?」
「ま、これで勝利は間違いなしでしょう」

霊夢はようやく地に着いて華麗に着陸した。

「ふう・・・
あと、魔理沙に変身したのもある意味間違いだったわね。
これが紫とかならもっとまずかったかもしれないけど・・・」

台詞を言い終わったと同時に、愛子もようやく落ちてきた。

「さ、流石は博麗様ですわ・・・
ぜひとも、私の愛の布教にも協力してもらいたいぐらいですわね」

地に伏しながらそう話す愛子に、霊夢はいう。

「それはわかったわ。
愛を広めるなんて素敵な計画ね・・・
でも、あたしには言いたいことが一つだけあるから、ちゃんと聞いてくれるかしら?」

そうして、息を吸って、こう言い放った。



「迷惑な事件を起こすな!
そして二度と私の前に現れるな!」




―続く
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