図書館戦争短編小説
□花火大会
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「・・・。さてと。」
小牧は、毬江を送った後、館内を歩いた。人を探しているのだ。そしてしばらくあるいたあと、『武器・軍事力』のところに探し人がいた。
「やぁ、鉄蔵」
「おぅ、小牧か」
小牧が探していたのは、対テロ作戦のために派遣された、陸上自衛官、河月鉄蔵だった。鉄蔵は小牧に呼ばれ、本を閉じ小牧の方に体を向けた。
「鉄蔵。ちょっと相談があるんだけど・・・いいかな?」
「別にかわまんが・・・どうした?」
小牧はさっきのことをしゃべるだした。そして話しを最後まで聞き終わった鉄蔵は、なるほど、とうなずいた。
「つまり、お前は俺に浴衣を選んで欲しいと。そういうわけだな?」
「そういうこと。どうかな?」
まだ数ヶ月だが特殊隊員とウマが合うためよく馬鹿話をする。鉄蔵は、たまにこの手の相談に合った。鉄蔵は普段は着物でいるから、よく着物を選んでくれと頼まれるのだ。
「よし、じゃあ明日行こうか」
「うん。頼むよ」
そういうと、鉄蔵はまた仕事に取り掛かった。小牧も自分の仕事に取り掛かった。毬江ちゃんは、どんな浴衣を着てくるのかと頭の中で駆け回っていたのは、言うまでもない。