幕末長編小説 時を越えた自衛官

□幕末
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「あれ?何か聞こえませんか、土方さん」





「あ?気のせいだろ」





二人の男が歩いていた。土方と呼ばれた男は、総髪で色白で女のように見えるが体つきと眼光から男とわかった。もう片方も総髪で色黒だが女なら惚れてしまいそうな容貌だ。





「そんなことありませんよー。ほら耳を澄ませば聞こえてきますよ」





そういわれ、土方はしぶしぶ耳を澄ました。





キィ・・・ン。カキ・・ィン。こ・・・やろ!!。し・・・!!。





「・・・」





「ほら!!やっぱり聞こえますよ!!」





確かに聞こえた。しかも音からして穏やかではない。土方と呼ばれた男は、鋭い眼差しがさらに鋭くなりゆっくりと腰の刀に手をかけた。





「どうやら不逞浪士の斬りあいのようだな・・・。いってみるぞ、総司」





「はい、土方さん」





二人は厳しい顔になり早足で歩いていった。
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