BLEACH長編小説

□戦闘 part2
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「うお!?」



声がしたかと思えば、後ろからものすごいスピードで突っ込んでくる砕蜂をかろうじてかわした。



「もう・・・許さん。是が非でも殺してやる」



「何だよいきなり。てか、なんだ?その手甲みたいなのは?」



鉄鬼はかすった脇腹をさすりながら、聞いた。
砕蜂の手には中指に爪の付いた手甲『雀蜂』がはめられていた。
しかし、鉄鬼はいまさっきこちらに着いたばかりで、斬魄刀のことは知らない。




「ふん。知らないなら教えてやる。こいつは私の斬魄刀『雀蜂』だ」



「・・・ざんぱくとう?」



「誇りに思え。私に斬魄刀を抜かせたうえに
始解させたことお」



砕蜂は不敵に微笑みながら言った。
しかし、鉄鬼はそんなことを知らないわけで、何を言っているのかチンプンカンプンだ。



「この『雀蜂』の能力は『弐撃決殺』。同じところに弐撃食らえばどんな相手も必ず死ぬ!!」



「同じところ?それじゃ・・・」



鉄鬼は押さえている傷口を覗いてみた。



「・・・なんじゃこりゃ?」



そこには、蜂に似たような傷ができてきた。
言葉がでない鉄鬼を見ながら砕蜂は話し出した。



「それは『蜂紋華』といってな。雀蜂による初撃で標的の体に刻まれる『死の刻印』だ。
またそこに一撃入れれば



・・・お前は死ぬ」



「ふ〜ん。で?」



砕蜂は恐怖に怯える鉄鬼の顔を想像したが、
本人は「だからなんですか?」みたいな顔をしている。大抵のものは逃げるか、命乞いをするのだがこの男はしない。



「貴様。死ぬのが怖くないのか?」



「別に?だって人なんていつか死ぬものだし。
生きてたころの仕事上毎日が死と隣り合わせだったし」



「・・・」



砕蜂は驚いた。砕蜂自身死を恐れないが、
ここまであっさりした奴は居なかったからだ。



「ま、そんなことはどうでもいいとして・・・」



「!?」



急に男の殺気が上がりだした。



「武器を向けたということは・・・殺される覚悟があるということだ。
なら、



もう、手加減はいらないな」



「な!?」



さっきまでちょっと離れたところに立っていた鉄鬼はいつの間にか、砕蜂の目の前まで来ていた。
そして、



「うらァァ!!!!」



「グハッ!!」



左手による下突き。しかも、威力はさっきの倍。
砕蜂はすぐさま後ろに飛び去った。



(く、肋骨が五、六本折れたぞ!?なんなんだあいつの突きは!?)



そんなことを思っていると、鉄鬼がまた突っ込んで来た。砕蜂は立ち上がろうと思ったが
、折れた肋骨が痛み立つことができなかった。



「く、ヤァ!!」



苦し紛れに下から雀蜂を突き上げた。



しかし、



「あまい!!」



「!?」



左手で突いてきた突きを払い、そのまま踏み込みながら、砕蜂の右腕を掴み、



「悪いが、潰させてもらうぞ」



左腕を頭の後ろまで振り上げ、そして一気に
振りおろした。狙いは肘。



ゴキッ、



「グァァァ!!!!!」



砕蜂の右腕は肘から先が、変な方向に曲がった。そして、



「しばらく寝てろ」



左肘を高らかに上げ、直角に振り落とした。



ゴッ、



振り落とされた肘は、砕蜂の額はザックリ裂いた。額から血が噴水のごとく飛び出している。



「く・・・そ」



砕蜂はそこで意識が途切れた。



途切れるさい、真っ赤に染まる視界に見えたものは、
次の攻撃に備えるかのように残心を残した
鉄鬼だった。





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