図書館戦争短編小説

□花火大会
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武蔵野第一図書館。夏真っ盛りの中、図書館に来る人が増えてきた。(大半は涼みだが)そんな中小牧が図書館業務を行っていると。





「小牧さん。」





その声で、誰だかわかった。小牧は笑顔で後ろを振り向いた。そこにはロングヘアーにした、少女。いや、女性が立っていた。小牧のよく知っている女性。そう、毬江だった。小牧は携帯を取り出して、文字を打ち始めた。そして、打ち終わった画面を毬江に見せた






『どうしたの?』





『ちょっと、お話がありまして』





小牧の携帯を見た後、毬江はものすごいスピードで、文字を打ち始めた。打ち終わると小牧に画面を見せる。





『話し?』




小牧はまた携帯に文字を打ち始め画面を見せた。今度は文字が少ないため、早い。毬江は顔をうつむかせ、髪の間から見える耳は真っ赤になっていた。そして小牧に携帯の画面を見せる。





『来週の日曜日、花火大会に行きませんか?』





突拍子のない質問に小牧は驚いた。昔は(つまり毬江の耳が聞こえてたころ)一緒によく行ったものだが、毬江の耳が聞こえなくなったころから、全然行っていない。その小牧の顔を見た毬江は『やっぱりだめですか?』と、そんな顔をしている。小牧は携帯で『大丈夫、一緒に行こう。』と打つと、毬江は明るい顔になり、『それじゃ、楽しみにしています』と画面でつたえて帰っていった。
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