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□にゃんにゃんにゃん!
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なんだこれは。
朝起きたら、隣で寝ていたはずのリンはそこにいなくて、
一匹の、猫が、そこにいた。


「えっと、あれ、リーンー」
『にゃ』
「もう仕事行っちゃったのかなぁ」
『にゃにゃーっぁ』

まさかとは思うが、俺はベッドから降りて猫に話しかけてみた。
「お前、リンなのか?」
『うにゃぁ。』
んなアホな。

「なんでそんな格好なんだ?」
『んにゃ〜』
「ちょっと『悪の娘』歌ってみろよ」
『にゃぁ、ににゃにゃにゅににゃにゃい!』
「(今の、『さぁ、跪きなさい!』の部分か?)」
『みゅにゃににゅにゃにみゃにゅにょにょに〜』
「(昔々あるところに〜)って、お前!やっぱリンなの!?」
俺の言ったことにきちんと反応してるし歌も歌えてる。これは、もうリンだろ。
なんで猫になってしまっているのかわからないが、これがリンであることは間違いない。さて、どうしたもんか。

『うにゃぁー』
俺の考えを知ってか知らずか、猫リンは脚にすりよって、すっかり安心しきった声で鳴いている。愛らしい動作に惹かれて、俺はそいつを抱き上げた。

肉球をむにむにもてあそんだりしている内にすっかり楽しくなってしまった俺は、猫リンに向かって一人で話しかけていた。床にどっかと座ると、あぐらの上に猫リンを収めていじくりまわす。いつもこんなに素直で可愛かったらいいのにな。
「リンかわいいな〜、ほれほれほれ、にゃー可愛い。好きだぜーリン」


「何やってんの?」

突然、後ろから声をかけられた。あれ、この声は、
「レン、独り言で好きとか言わないでよね、恥ずかしいんだから!」

リンだぁぁぁあ!?
「あれ、リンお前、猫じゃないの、か?」
「はぁ?何言ってんのよ。あ、綺麗な猫ねー」
『にゃーん』
リンに撫でられた猫はあくびのように口を開けて鳴くと、俺の膝でうとうとし始めた。




「可愛いね」
この猫、リンじゃなかったんだな。当の彼女は眠った猫を撫で続けている。どうにかさっきの俺の恥ずかしい独り言は忘れてもらえたみたいだ。
それにしても、猫が可愛いのは認める。そして、その猫を撫でているリンが可愛いと思ってしまうのも当たり前のことだろ?
俺の前で屈みこむリンの金の髪をほわふわと撫でた。

「ひゃっ、レン何して、」
「リンもかっわいいなと思ってさー」

普段なら、何歯の浮くようなセリフ言ってんのよー!、と怒られるはずだが。リンは赤くなって俯いている。撫でている俺の手を払おうともしない。そして、

「にゃ、にゃん」


(なんだこの可愛い生き物!)




■あとがき
2月22日はにゃんにゃんにゃんで猫の日!
ちょっとツンデレリン(=つんでりん)が今きてます

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