宝玉

□林檎曲様<小説>
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「ね…入浴剤、入れたいの//だめ??」

「ん、いいんよ♪」


とにかく葉の手から逃れ、下着のままお風呂場に入った。


「はぁ…危なかったわι//」


そしてあたしは入浴剤を一回分よりも多く入れた。

「アンナ〜?先はいっちまうぞ?」

「今行くから先に待ってて」

葉が先に入ったのを見てからあたしも服を脱ぐ。そしてちゃっかりタオルを巻いてお風呂場に入った。

「アンナ〜なんでタオル巻いてくるんよ〜」

ブーブーと葉が言ってきたのできつく睨み付ける。でも頬は熱い。

「そんなことできるわけないでしょっ!!//」

あたしはタオルを付けたままゆっくりと湯船に浸かった。湯船はあたしが入れた入浴剤のピンク色。甘い桃の香に溶けてしまいそう。

「なんか入浴剤入れすぎじゃねぇか?」

「いいのよ!!//見えたら困るから…//」

「オイラは困らないのに〜」


あたしは困るの。だって見えたら見えたであたしが茹でタコになるのは間違いないんだから。お風呂でなんて絶対に阻止してやるっ。


「なぁ…アンナぁ〜vv」


ぎゅっと葉が抱きついてきた。素肌に葉の腕が触れて少しドキリとした。


「なっに…//」

「もしかして緊張してる?」


からかうように笑ってくる。


「してる…わよっ//」


言い放つように言ったら更に強く抱き締められた。


「オイラも…ドキドキが止まらんのよ」


葉の胸に耳を当ててみると同じくらいドキドキしててなんだか嬉しくなった。

「あたし達、いつまでも変わらないわね」

クスリ、と笑いながら言った。

「そうだな…このままいつまでもこんな風に続くとい
いな」

本当に優しく、あたしだけにしか見せない笑顔に見惚れてしまう。

「そうね」

だからあたしも葉にしか見せない笑顔でそれに答える。何も言わずに唇を合わせてしばらく抱き合う。



いつまでも、このまま変わらない2人で居たいと願いながら──…‥


END

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