月光譚 ―gekkoutan―


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序章
新しく古い物語のはじまり。

一、黎明
舞台は、大陸随一の大国・那国。まずは東家の一室から物語は動き出す。

二、幽篁
何ものにも替えがたいもの、それは気のおけない友の存在。たとえ誰が離れていこうとも……。

三、月夜
消せない過去、消せない罪。忘れてしまいたい事、決して忘れたくない事。

四、螺旋
逃げることなど出来ない。今も聞こえる遠い呼び声。追い掛けてくるのは自分自身。

五、桜花
人はみな出会うべくして出会うものなのか。それは偶然か必然か、それとも運命か――?

六、陽炎
動きだす――時の流れも、人の心も、止める術(すべ)を誰も持たない。それならばただ受け入れるのみ。

七、蜜月
新しいはじまり。ひとつの終わり。人は誰も時の大河に漂うひとひらの泡沫。

八、散華
何かを得るためには、何かを失わなければならない。それが、この世の理(ことわり)。

九、追想
人は皆、己が考えるより強いもの。人は皆、己が考えるより弱いもの。強さと弱さは紙一重。



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