contention
□世界
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ふと突然
ふと突然思い出した。
僕が中学生の時にイジメていた彼女は今頃元気にしているのか。
僕はいつの間にか罪を過去の過ちという流れに任して記憶の片隅に追いやってしまうけれど、それはいつまでも清算されない事実として残りつづける。どんなに後悔したって、贖罪をしたくても、彼女の口から許しを得ない限りは、いつまでも記憶のどこかに許されていない罪の事実として罪悪感と共に残る。
辛い境遇に陥ったとき、その境遇がそんな過去の罪の償いだなんて自分勝手な解釈をしない。僕の苦しみは彼女に伝わっていないのだから。
当たり前だ。
当たり前の現実をそのまま受け入れよう。
そう僕は自分に言い聞かせる。