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□恋人たちの一日
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それから少したった時‥

「なに泣いてんだよ…」

背後から聞こえた大好きな声に僕は振り返る。
振り返ったそこには少し呆れ顔の春華が立っていて僕のことを見下ろしていた。

「ふぇ‥春華ぁ‥」
「ったく‥何やってんだよ…ほら、泣き止め」
「ゔ〜」

ゆっくりと僕の前に回りこんだ春華は、僕をギュッと抱き締めてくれた。

しばらく春華の腕の中にいると僕の涙は止まってくる。

「もぅ大丈夫だな」

それに気付いた春華が僕の身体からそっと離れ立ち上がり、並べられた大量の失敗作たちに目をやった。

「これ、お前が作ったのか?」
「ご、ごめんね。散らかしちゃって‥ちゃんと片付けるから‥」

そう言って僕は立ち上がる。
すると春華がおもむろに失敗作の一つを手に取り、自分の口に入れた。
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