tactics

□お酒には注意‡前編‡
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そんな様子を横で見ていたスギノが文句を言った。

「おい勘太郎!!鬼喰いをコキ使うな。」
「だってスギノ様ぁ、今日はヨーコちゃんがバイトで遅くなるから春華しかいないんだもぉん。」
「………………………。」
(…自分で行けよこの酔っ払い…)
内心では思ったが口に出さないスギノ…。
(鬼喰いの為にもっと文句を言ってやりたいが、勘太郎のヤツ絶対あの笑顔でサバ出すよな(汗)…ごめんっ。鬼喰い。)
天狗はサバが苦手なのだ…。起こらないとは限らない最悪の事態を考え最愛の妻“むぅちゃん”を抱き抱えたスギノは、

「それじゃオレ達はそろそろ帰るからあとはお前等で楽しめ。じゃあな。」

と言うなり窓から慌ただしく飛び去ってしまった‥。もちろん台所で酒を探している春華への挨拶も忘れずにだ。
スギノ達が帰ったことにより話相手がいなくなってしまった勘太郎は、

「ちぇ〜つまんないのぉ。せっかくサバ使って遊ぼうと思ったのにぃ☆」

と言いながらどこに隠してあったのかサバを取り出した。…どうやらスギノの読みは当たったようだ。
残念そうにサバを撫でる勘太郎はもう一人の客人‥‥いや、呼ばれてもいないのに来た招かれざる客に目を向ける。

「そんなに熱い目で見ないでよ、一ノ宮セ・ン・セ」
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