お題
□5.愛されるより愛したい
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僕は春華の事が大好きです。それは僕が子供の時からずっと変わりません。
昔は、鬼より遙かに強いと言われる『鬼喰い天狗』が憧れの存在で、何時かは友達になりたいとそう思っていただけでした。
でも今は違います。
僕は憧れだった『鬼喰い天狗』…春華を愛しています。
世界中の誰よりも春華を愛してしまいました…。
僕は何時も仕事に飽きたりすると春華に抱き付きに行きます。…本当は四六時中ですけど。
すると、春華は何時も眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をします。でも僕はそれを気にしません。
そんな僕に春華は『離れろ』とか『欝陶しい』とか言います。でも僕は気にしません。
だって…
だって僕は春華を愛しているから…。
春華は僕の事をどう想っているのか分かりません…。
もしかしたら愛されてはいないのかもしれません…。
でも春華は僕にキスをしてくれます。
優しかったり、痛いほどに激しかったり…。
僕達は時に繋がる事もあります。
でも、そこに愛があるかは分かりません…。
それでも僕は構いません。たとえ、僕は春華の欲望の捌け口だったとしても……
僕は全然気にしません…。
だって僕は春華を愛してるから…
たとえ愛されていなかったとしても、僕は辛くありません。
それは、僕が愛されるという事に慣れていないから…なのだと思います。
やはり、時には愛するだけではなく愛されたいと思います…。
でも、きっと愛されてしまったらきっと辛くなるから…。
期待に応えられないかもしれないから……。
だから僕は愛されなくても平気です…。
愛されなくても、愛していれば…、そこに愛がなくても僕を受け入れてくれたら……、僕はそれだけで満足なのです。
そしたら辛くも、傷つく事も無いと思うから…。
それは逃げているだけ…。ちゃんと分かっています。
僕は自分が傷付く事から逃げているだけなのです…。
それでも、愛されていなくても…、僕は春華を愛しているから……。
だから…
僕は愛されなくても愛し続けます…。
終わり