お題

□1.縁側でうたた寝
1ページ/1ページ

ちょっとした小春日和の日曜日。僕は仕事が一段落したから縁側でお茶を啜っていた。
とても冬だとは思えない程今日は暖かい。このままウトウトして寝てしまいそうだった。

「う〜ん!‥はぁ〜、本当あったかい日だよね。はぁ〜ん…ぅにゅ…何か眠たくなってきちゃった。」

僕はネコのように伸びをした。

僕って仕事熱心だから肩が凝っちゃうんだよね…
はぁ〜‥居候を2人も養ってるんだしね〜。‥ん?人じゃないから2妖怪??
…まっ、良いか。

僕はそんな事を考えていたら何時の間にか、そのまま縁側で寝てしまった。


   *・*・*・*・*

「…勘太郎?」

「…すぅーすぅー。」

俺が散歩から帰ってきたらズボラサボり主人…兼恋人が縁側で座ったまま眠っていた。
頭がコクン、コクンと上下運動をしている。…よく前に倒れないな、などと少し感心してしまった。

「うにゅ〜…はりゅかぁ〜…。」

「ぅん?」

寝言で俺の名前を言ってる…、本当に可愛いと思う。
このまま食べてしまいたい等と少なからず考えてしまったり…。

「…春華はそんなにサバが食べたいのかなぁ〜?」

「…ビクッ!!!」

俺が勘太郎の可愛らしい寝顔を観察していると、何やら…ものすごく嫌な言葉が聞こえてきた。

…俺の心の声が聞こえてしまったのか?

とにかく今は何もしないでおこう…。
やっぱり自分の身が可愛いし…。

「…はりゅかぁ〜…。」

「………。」

今度は何を言う気だ!?

…俺は少し身を構えた。

「‥春華…大好きだよ…。」

「‥なっ!?……///」

可愛らしい寝顔をした、可愛い恋人は、すごく可愛い寝言を言った。
俺は自然と顔が熱くなっていった。
嬉しいけどやっぱ…少し恥ずかしい//



「ぅ〜ん…ブルッ…。」

風が少し冷たくなってきた所為で、勘太郎の体が少し震えた。
俺は勘太郎の隣に腰掛け、少しでも暖かくしようと思い、勘太郎の身体を引き寄せた。
すると勘太郎の震えは治まり、無意識に俺の身体に寄り掛かってきた。

そんな恋人がやはり愛しい…。

俺はそのままの状態で勘太郎の色素の薄い髪を梳いた。
そして、段々と俺まで眠くなってきてしまい、可愛い寝息をたてる勘太郎を俺は優しく抱き締めたまま、ヨーコが帰ってくるまで俺たちは縁側で寝てしまったのだった。



    *・*・*・*・*



深い眠りに入る直前、俺は勘太郎の声を聞いたような気がした。






『春華……愛してるよ』
と言う可愛い寝言を…






おわり

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ