遙か

□オレの恋人
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「彰紋。今日は東寺に行こうぜっ!」
「はい!早速行きましょうか」

今日は久しぶりの彰紋との外出だ。彰紋とは仕事の都合であまり会えないからオレはこの日をずっと楽しみにしてたんだ。
それにいつも忙しい彰紋を休ませてやりたかったしな♪…でも…
オレは後ろに感じる数人の気配にうんざりして溜め息をついた。

「…はぁ〜」
「イサト?どうかしましたか?」

急に立ち止まったオレを心配そうに彰紋が覗き込んでくる。

「い、いや。何でもねぇよ」
「…そうですか…」

ダメだよな…せっかく久しぶりに会えたってのにオレがこんなんじゃ。
でもさ、オレは彰紋と二人きりで会いたかったんだ。そりゃ彰紋が東宮様で護衛が必要だってことは分かる。だけど後ろからコソコソついてこられたら気が滅入っちまう…。

「…はぁ〜…」
オレは二度目の溜め息をついた。
すると今度は彰紋が立ち止まりオレの袖を掴んでくる。

「ん?どうしたんだ彰紋?」

後ろを向き彰紋に問い掛ける。

「あの…イサトは僕と二人でいて楽しく、ないですか?」
「えっ?」

オレは驚き、彰紋と身体を向き合わせた。
だって彰紋の声は震えていたんだ…。
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