ぶんおきば
□気にしたら負け!
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「えっと…、だから、その……」
8月のある日。
白い雲がもくもくと泳ぐ空の下、俺、うずまきナルトは、
がんばって目の前の人物にある話題を切り出そうとしていた。
演習の帰りに引き止めたのは良いものの、
どう切り出せばいいのかわからず、もじもじしてしまう。
始めに勢い良く言えばよかったものを、
変なところで引っ込み思案な俺はずるずると変な間を作ってしまい、
俺的に、ますます切り出しにくい状況になっていた。
無駄に心臓がバクバクしてるってば!
ちらりと目の前の無愛想男を盗み見ると、
背後の木に背を預けて腕組みしていた。
早くしろと、それはもう不機嫌丸出しで。
もう今しかない!
それを見てしまった俺は、自分なりにチャンスを得て大きく息を吸った!
…あれ?
● 気にしたら負け! ●