◇ CP小説 ◇
□秘めた心
2ページ/8ページ
木枯らしが吹き始め、だんだんと冷たくなっていく風。
もう、冬がそこまで来ているんだと
退屈な世界史の授業中に
忍足侑士15歳はふと思った。
『岳人は大丈夫やろか・・・』
最近、元気のない相方のことを考え不安になる
テニスの試合中には、同じコートの中で、
ピョンピョンと元気よく飛び回っている。
コートを出ても、元気に走り回り
後輩たちからも好かれている良い先輩の彼が
最近は周りから見てもわかるくらい
元気がなく、溜息を吐く姿をよく見る。
「で?結局原因はわかったのか?」
自分の考えていることがわかっていたのか、
隣の席の宍戸亮が、話しかけてくる
「・・・それがなぁ・・・さっぱりわからんのや」
困ったように苦笑いを浮かべ答える。
そう。
まったくわからないのだ。
一体、向日岳人になにがあったのだろうか。
氷帝の天才・忍足侑士は
ずっと考えているのだ。
---------------------