NO.6

□Happy Halloween!
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作った数を覚えているのか、数えもせず紫苑は即座に答えた。
3種類を適当に選んでは、どんどん袋に詰めていく。

「それに、リボンもつけないと」
「なるほど。まだまだかかるってわけ」

色とりどりのリボンは箱に入ったまま取りあえずまだレジの横に置かれていて、店の奥にあるテーブルの周りには、口の開いたクッキーの袋が増えていく。

「ネズミ、本当にごめん」
「あんたのママがダウンしたんじゃ、仕方ない。それより様子、見に行かなくていいのか」
「大丈夫だ。熱も少し下がったし、落ち着いてよく眠っていた。クッキーの準備でここ数日かなり遅かったから、疲れが出たんだと思う」
「…そうか」

明日はハロウィン。
町中の子どもたちがお菓子を求めて練り歩く。
100袋のクッキーのうち、50袋はこの店で配るためのもので、もう50袋は得意先数件からの注文らしい。

「あんたまで倒れちゃ大変だ」
「きみが来てくれたんだからもう大丈夫。このままいけば、どうにか約束の時間までに納品できそうだ」
「それは何より。だけど安心するのは早いんじゃないか」
「どうしてだ?」


そこでタイミングよく、カランコロンとドアベルが鳴った。



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