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□雪遊び
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其の日は、朝から余り良い天気という訳ではなかった。
どんよりとした、曇り空。





【雪遊び】





5限の授業中から、其れは降り始めた。

あ、雪。

誰ともなくそんな言葉を呟いて、クラスの中がほんの一瞬、空気を止めて窓の外に見入ったりして。
中等部二年、跡部景吾は驚いた風もなくちらり、と視線を送り、そして考えるのは部活の事、今日の練習メニュー。
今日のコートは使い物になるだろうか。
例えば少々の雨ならば、其の侭練習を続けたりもするのだけれど。

…監督の指示を待つか。

教師がクラスに向かって黒板に注目を促し、そして室内は授業へと戻っていく。
空には大きな濃い灰色の雲。
小さな教室の中の事なんて知らないよ、とでも言うように、舞い降りる雪は其の量を着々と増やしていった。



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