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□紅茶アゲル。
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一体いつから、だったのか。
はっきりとはもう判らない。
ただ、気付いたらいつも、目が、アイツを追ってた。
なぁ、見詰めた視線に、気付いてる?
どうすれば、良いのだろう。
持て余す、持て余す、止まらない感情。
紅茶アゲル。
「おいテメェらこのくらいでバテてんじゃねぇよ! 真面目にやれ!」
部活中、夏は特に、暑さで体力が奪われる。
其の中で試合をしなければならないのだから、普段の練習ではしっかりと其れに対応出来るだけの力をつけなければならない訳で。
とはいえ、直射日光の照りつけるコート、照り返しで立っていても汗が滲む程。
「…チッ、根性のねぇ…」
休憩時間。日陰のベンチにどかりと腰掛け、不満を口に出す。
「跡部は根性有りすぎやねんて。なぁジロ」
「んー…」
「あーん?」
隣でへたっている慈郎と、ドリンクを片手にタオルを被る忍足。
他の部員たちも皆其れ相応に、僅かばかりの休息を過ごす。
「はっ、テメェらが情けねーだけだろうが」
「そんなもんやろかー?」
ちらり、納得のいかないように首を傾げる忍足を見る。
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