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□after school
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after school










『――校時刻の……分前です。教室の窓を閉め、電灯を消し速やかに……』

ふと、校内に流れる無機質なアナウンスで我に返り、跡部は手元の文庫の活字から目を上げ、左手を僅かに返して腕時計を見た。
…5時、45分。


教室から、出なければいけない。


頁と頁の間に栞を挟む、其の仕草も自然とスローペース。
ぱたり、と音を立てて机の上に文庫を置くと同時に目を閉じ、緩く息を吐きながら頭を後ろに傾ける、窓際の席に座っている為、頭は直ぐに、硬い、冷たい硝子に触れ、そして止まった。
暖房と本の内容とに浮かされた頭が、冷えた外気を孕んだ透明の板によって、冷静さを、現実を取り戻してゆく。


だのにまだ、来ない、

「……」

遅ぇよ、バーカ。
そんな悪態が、脳裏を掠めては消える。





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