kiri-text

□Proof
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「…ぁ、」
嘘みたいに滑らかな肌をそぅと指先で伝えば、もう反射的に甘く艶やかな声が零れる。









Proof










「…景吾」
言って、シャツの襟元を開き、細い首筋、肩へと頭を埋める。
「跡、付けんで?」
「?! やめっ…!」
制止、されどもお構い無く。
華奢な身体に綺麗に浮き上がった鎖骨、其の上辺り。
わざと音を立てて、残すは紅い花びらをひとつ。
「馬鹿ッ…何度言ったら…」
「今日はちゃんと聞いたやん」
「そういう問題じゃ無…っ、ぁ!」





抜ける様な白い肌に

鬱血した、紅い跡を散らして。

君は何時も嫌がるけれど、此れが。





「ッ入った、で」
「ぁ…、言う、なっ」





所詮は唯の独占欲。

そう言われればお終いな、陳腐な証。

幾らかの時間が経てば必ず消えてしまう、儚き証。


…其れでも、





「…ぁぁあああッ!!」

「……ッ、」





其れでも、何かが欲しくて、

『証』となる、何かが欲しくて




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