text

□’08バレンタイン企画:忍足
1ページ/1ページ



☆忍足


「なぁ、お前もやっぱり欲しいのか、…手作りチョコってやつが」

こんな台詞があの跡部の口から飛び出した日にゃ、ほんまにどないしょーかと思たわ。
で、どないしたかって?
勿論頷くしかないやろ!
据え膳食わぬは何とやら…、まさに俺の為にあるよーな言葉やと思わへんか?


てな訳で待ちに待った今日やで!!
あの跡部様が四苦八苦しながらどんなチョコレート作ってきてくれるんか、楽しみすぎてしゃーないねん。
顔が緩んどるってさっき、がっくんに怒られたとこやねんけどな…。

「おい忍足、持ってきてやったぜ」
「ぁぁぁ跡部?! 脅かさんといてぇな…!」
「アーン? 誰が、いつ脅かしたんだよバーカ」

いつの間にか真後ろに立っとったんは、跡部…と?

「そんなに要らねェっつうんなら此の侭持って帰らせるが?」
「待ってぇな、要るって! 要ります下さい跡部様!!」

とにかく引き止めた俺やけど、ちょお待ち、誰にやねん?!
跡部が顎で示したお付きさんは白い調理服の…何か嫌ーな予感がするんやけど。

「フッ、しょーがねェな。くれてやるぜ、うち専属パティシエお手製のチョコレートケーキだ。有難く受け取りな!」

キランっ、って後ろに薔薇の花びらが…いや幻覚か。
甘さ控え目だぜ、って跡部、いや、手作りっていうのはそういう意味やなくてな、つまり…いやいやいや、要るって!
要りますから!
帰らんでええ!!
待って…!

…うん、うん。おおきに。
めっさ嬉しいで?
うん、ほんま。
今日の晩一緒に食べよな?
跡部の好きなモン作って待っとるから。
うん、今日はお泊まりしますって執事さんにちゃんと言うて来るんやで?



…ま、こないなるんちゃうかと思てたわ…。(泣)



end

+++++++++++++
以前、メールにて配布させていただいたものです。
ブラウザバックでお戻りください。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ