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□MAD MESSAGE
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裏庭が好き。

滅多に誰も来ないし。


其れでも、管理された庭は最低限綺麗ではあり、木陰なんかも有ったりして。

寝るには結構良い場所。










MAD MESSAGE









―ねぇ気付いてる?
  此の音に 想いに―





「…ジロー!」
いくら両耳のヘッドフォンから延々と曲が流れているといっても、彼の声を聞き間違える筈は無い。
ゆっくりと目を開ければ途端差し込まれる光、周り全てが眩しくて。

右斜め後方。
予想通りの其の姿を視界に捕え、へらりと、笑う。



「オマエまたサボる気かよ」
「なになに? いっしょにかえれんの?」
「あぁ? 部長が部に出なくて良い訳ねぇだろ」
「えー? じゃあここきてよ?」
右耳のヘッドフォンを外して、自分の隣、刈られてから少し経った、手触りの良い芝をぱしぱしと叩く。
「ちょっとだけでいいからさー」
彼はといえば、
「ったく…」
肩を竦めるも其の表情は至って柔らか。
「まぁじで? やたー!」

いわば。
幼馴染みの、特権。





―其れが何だっていう?
    君の瞳に
 僕は映ってはいない―








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